ホーム » 大型バイクの中古市場 » 中古バイクの保証はどこまで必要か

「現状販売」の安さと裏にあるリスク

中古バイクショップやネットオークションを見ていると、相場よりも明らかに安い価格設定の車両を見かけることがある。

その多くには「現状販売」や「保証なし」といった注釈が添えられている。
これは、販売店側が納車整備や点検を簡略化し、納車後に発生した不具合に対して一切の責任を負わないという条件で販売する形態である。

メカニックの知識があり、自分でエンジンのオーバーホールや電装系の修理ができるライダーにとっては、安くベース車両を手に入れる絶好の機会かもしれない。

しかし、一般的なライダーにとって、現状販売に手を出すことはギャンブルに近い行為である。
見た目は綺麗でも、内部のゴムパーツが劣化していたり、電気系統に目に見えない爆弾を抱えていたりすることは珍しくない。

乗り出して数日でエンジンがかからなくなり、修理見積もりを取ったら購入価格以上の金額を提示されたという悲劇は、中古車市場では決して珍しい話ではないのである。

大型バイク特有の修理コストの高さ

なぜ大型バイクの中古車選びにおいて保証が重要視されるのかといえば、それは修理費用の単価が中型以下のバイクとは比較にならないほど高額だからである。
大型バイクは高性能なパーツの集合体であり、部品一つ一つの価格が高い。

例えば、立ちゴケでカウルを割ってしまっただけでも数万円、タンクを凹ませれば10万円コースである。
さらに深刻なのが機能部品の故障だ。

最近の大型バイクは高度な電子制御が組み込まれており、ABSユニットやECU(エンジンコントロールユニット)、電子制御サスペンションなどが故障すると、部品代だけで10万円、20万円という請求が来ることもザラにある。

また、複雑な構造ゆえに修理には専門的な知識と多くの工数が必要となり、工賃も高騰する傾向にある。
安く買ったはずのバイクが、修理費のせいで結果的に新車を買えるほどの金額になってしまったという事態を避けるためにも、保証の価値を再認識するべきだ。

安心を買うための保証選びの基準

中古車保証と一口に言っても、その内容は販売店によって千差万別であるため、契約前に詳細を確認することが極めて重要である。
保証期間は1ヶ月や1000kmといった短期のものから、1年や無制限といった長期のものまで様々だ。

また、保証の対象範囲もよく見る必要がある。
「エンジン本体のみ保証」とあれば、キャブレターやインジェクション、電装系の故障は自腹となる可能性がある。

理想的なのは、期間が長く、消耗品以外のほとんどの機能部品をカバーし、さらにロードサービスまで付帯しているような手厚い保証である。

特に、自宅から遠く離れたショップで購入する場合は、全国に提携工場があるか、あるいは最寄りのディーラーでの修理費用を負担してくれる保証プランがあるかを確認すべきだ。

大型バイクという高価な趣味を楽しむ上で、数万円の上乗せで長期の安心が買えるのであれば、保証付きを選ぶことが最も賢明な投資と言えるだろう。